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夢のような世界

戸棚を開けると、白くて少々大きめの皿の上に、何やら黄色や黒のつぶつぶが落ちているではないか。「なんだ、これは?」と思い、近づいてみると何と、のりたま!「なんでこんなもんが落っこってんのじゃー!」と思っていると、
「あ、それ、私」
「何でこぼしたら、片付けないんだよ」
「しょうがないでしょ。忙しかったんだから。片付ければいいんでしょ、片付ければ」
なぜだか手に持っていたおにぎりをぎゅうぎゅう押し付けて、皿の上ののりたまを白い握り飯にどんどん吸い付けていく。いつの間にか、床にも広がっていたのりたまも、ぐいぐい吸着させたあげく、
「食べる?」
「※▲◎□♥→」
声にならない叫びと、軽い(?)殺意を覚えたところで目が覚めた。
しかもその話をしたら、
「そんな、いかにも私がしそうな事を夢の中でもさせないでよ」とのたまった。
自覚症状はあるようだが、重症だ。

さて、今度の月曜日はメモリアルデー。日本語で言うと戦没者記念日といったところか。毎年5月の最終月曜日で、この辺りから9月のあたまのレイバーデーまでが何となく夏休みとして認識されているようだ。したがって、このおよそ3ヶ月間はアメリカは国家としての機能を失い、国民全体はビーチで日焼けやバーベキュー、水遊びなどに日々いそしまなければならない。そして、「あ〜、まだ夏休みボケが抜けないよね」という隙をついたのが9/11なのだ。というのは冗談だが、実際にこっちで働き始める前にも、大学の担当の人が一ヶ月休みを取っていたせいで、ビザ発行関連の仕事が全く進まず、本当に間に合うのか?と冷や汗をかいた覚えがある。恐るべしアメリカ。

しかし、「夏休み」という言葉自体は、普段仕事のことで一杯(であり、かつアルコール漬け)の頭に対して、十分すぎるほどの効果を持つ。気分はもう、スナフキンだ。放浪する準備はできている。もしくはぶらり途中下車の旅。心の中で滝口順平のナレーションが入ることだろう。

まずは、「地球の歩き方」を買うところから始めなければならない。アメリカの旅行ガイドは信用ならん。だいたい英語だし。しかし、「愛読書は地球の歩き方です」というほどは読まない。結構買っただけで満足している事も多いし、実際に有用な情報はインターネットで集めている事も多いからだ。ならなんで買うんだよ、と言われそうだが、通過儀礼に等しいものがある。もしくは、日本人同士が異国の地で相互確認するためのものかもしれん。だったら、文通欄のようなものがあってもいいような気もするぞ。

あとは飛行機とホテルの予約だ。豚インフルエンザと不況の影響か飛行機のチケットはそれほど高くない。ヨーロッパまで往復550ドルくらい。日本から行く事を考えるとかなり安い。ホテルも「3泊すると3日めはタダ」みたいなホテルが結構ある。商売の方法がいまいちよくわからんが、とってもお得な気分だ。

最後に、どうやってこの資金を捻出するかを考えねばならん。毎日マクドナルドなら大丈夫だろうか?もしくは一日2食にするとか。酒をやめるつもりは毛頭ないしなあ。うーむ、悩ましい。
ああ、その隙にもう心の中のスナフキンは旅立ってしまった。「おやおや、スナフキンさん、どうしたんですか?」というナレーションとともに。

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